四宝和醸の酒造り

真野鶴を支える酒造りの4大要素
「米・水・人・自然」をご紹介します。

 佐渡は日本一の米どころである新潟県の中にあっ て魚沼と並ぶ稲作地として知られています。
 そんな最高の稲作地である佐渡の中でも「真野鶴」が契約する農家は小佐渡山脈の麓に位置する旧羽茂町の山間部にあり、俗に言う“山付きの米”が穫れます。 “山付きの米”は冷たい清水で育つため収穫量は少ないのですが、その品質は平野部のものより一段高いと言われます。もちろん、そこで穫れる酒造好適米・五百万石も高いレベル。また近年では山田錦を母に五百万石を父に持つ新潟県が開発した新酒米「越端麗」を蔵人中心に栽培を開始しました。こうして得た良質の米の恩恵を受けて、毎年「真野鶴」は醸し出されています。

私どもの酒米の取組み

周囲250km、東京23区の約1.5倍の広さがある佐渡。
 北には大佐渡山脈が、南には小佐渡山脈が連なり、毎年冬になると山々は白く染まります。大陸から日本海を越えてやって来る寒波がもたらす雪は、新潟の他 地域に比べ大地がもたらす様々な影響を一切受けないため限り無く鮮度が高く、その雪解け水が地中深く染み込み、自然のろ過の恩恵により山の麓に湧き出す際 は清冽を極めます。
 「真野鶴」のある真野町は島内の中でも水量・質ともに高いことで知られ、そのため古来より佐渡国分寺が建立され国府として栄えた歴史をもっています。
 また、佐渡島内5場のうち2場が真野町に集中していることから、この町の水質の良さが伺えます。もともと良い水質に加えて、「真野鶴」はより深い井 戸から、より良い水をとの考えから、仕込み水に地中70mより湧き出す地下水を使用。その水質は新潟県の特徴ともいえる軟水であり、淡麗で口当たりの柔らか な酒を醸すのに最適な材料となっています。

 「真野鶴」は人=杜氏においても恵まれています。現在の杜氏・工藤賢也は昭和46年生まれという若さながら、大学卒業後、前杜氏・松井万穂に弟子入りし、その実績において県内屈指で、全国の杜氏の中でもトップクラスの実力をもつ松井杜氏より技術を伝授されました。
 平成12年秋に29歳という若さで尾畑酒造の杜氏に就任して以来、最近では大半の蔵で合理化のため廃止されてしまった冬期間無休の蔵人泊まり込みによる早朝仕込みを実践。これは島内唯一で、 寒い冬の間でもより温度の低い早朝に仕込みを行い、少しでもいい酒を醸し出そうという強い姿勢の現れといえます。近年、機械化が進む中、手間隙を惜しまず頑なに“手造り”を守り続けるのが「真野鶴」の、そして工藤杜氏の最大のこだわりです。
 こうした姿勢は国内外での評価にも結び付き、6年連続して全国新酒品鑑評会「金賞」受賞。また毎年ロンドンで開催されている世界最大のワインコンテストであるインターナショナル・ワイン・チャレンジにて2007年に新設された日本酒部門で228点中11点という難関を突破してゴールドメダルに輝くなど数々の実績を残しています。

自然

 米・水・人を育み、さらに酒を磨くのが自然。佐渡は透明度の高い美しい海に四方を囲まれ、南北には豊富な山の幸をもたらす高い山々がそびえます。新潟県の中でも海流の関係から、本土に比べて夏は涼しく、冬も極端な低温にならないのが特徴です。特に酒造りの季節である冬は日本海側特有の曇天から日中と夜の温度差が少なく、安定した低めの温度となるため醸造には最適な環境といえます。
 また、朱鷺の自然回帰を目指しての活動などにより、環境保全運動が盛んにおこなわれています。こうした努力によって米や水の品質や安全性に今後もいい影響が出ると信じます。
 そして何より、こうした恵まれた自然により得られた素晴らしい食文化が、それを引き立てる酒に対して、より高品質なものを求めてきたことが、酒を磨いていくことに繋がっていると思われます。

杜氏:
工藤賢也プロフィール

当蔵の醸造アルコール添加についての考え方

昭和46年6月23日生まれ。血液型B型。

  • 岩手大学を卒業後、平成6年から8年まで尾畑酒造で松井万穂杜氏のもと、酒造りの修行をし、その後、岩手県の鈴蘭酒造で杜氏として勤務する。
  • 鈴蘭酒造ではヨーロッパで開催される世界的なコンテスト、 モンドセレクションで連続金賞受賞。
  • 平成12年6月より当社に杜氏として復帰する。
  • 平成12年より始動した豪州での酒造りのプロジェクトに参加していることもあり、同6月から8月はオーストラリアで初の本格的な三段仕込みに挑戦する。
  • 2001〜2006年全国新酒鑑評会6年連続金賞受賞
  • 2007年5月ロンドンのインターナショナル・ワイン・チャレンジ「日本酒・大吟醸」部門にて金メダル受賞

受賞歴一覧