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ほかほかの麹室 [佐渡の蔵元日記] 入力者: 尾畑留美子
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今日は12月19日。 今頃、よろしくないのですが、年賀状のデータを整理しています。 そう。かなりよろしくない・・・(焦る)。
そんな私の怠慢は置いておき、お酒は順調に育っていっております。
甑(こしき)と呼ばれる大きな釜で蒸された酒米は、その後放冷され、 ほかほか暖かい麹室(こうじむろ)に運ばれます。 ここで広げられた酒米はひっくり返したり、ピラミッドのように まとめられて布で温められます。温度計で何度も確かめられ、 その都度あちこちいじって、均一になるようにします。 まるで寒がっている子供を温めるように優しく包む感じです。
そして温度や水分が全体にそろったら、この蒸米に麹菌をパラパラと ふりかけ、よく混ぜます。 写真の状態がそれで、「床もみ(とこもみ)」と呼ばれます。
ところで、写真の人は、当社の工藤賢也杜氏でございます。 若手杜氏・・・もっとも最近は若い杜氏、増えていますが。
工藤杜氏がTシャツを着ているように、麹室の中はとても温かいです。冬服で入ったら、蒸しあがってしまうくらいです(ちょっとオーバーか)。 もっとも、外の人からすると、たまにですが、麹室の格好、 すなわちTシャツのままでふるえるような蔵の中に平然と戻っていく 杜氏や蔵人の姿に驚いているようです。 でも、みんな、造りの間は緊張で張り詰めていて、絶対風邪など 引かないのです。職人ですね。
ところで、私の緊張は、焦りという名でやはり張り詰めています。 大晦日まで残すこと11日。まだまだやらねばならぬこと多数。 とりあえず年賀状、間に合うかしら・・・ドキドキ・・・。
(尾畑留美子)
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新潟清酒達人検定 [佐渡の蔵元日記] 入力者: 尾畑留美子
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ワインのプロと言えば、ソムリエやワイン・アドバイザー、マスター・オブ・ワインなど浮かびますが、では、日本酒はというと、「利き酒師」と呼ばれる人たちがいらっしゃって、お酒屋さんや流通関係の人たちがこの資格を取っていることが多いです。
ところで、新潟県では、新潟の宝物である「新潟清酒」のプロを育てるべく、独自の検定制度を設けることとなりました。 その名も「新潟清酒達人検定」!
「なぜ新潟の酒はおいしいのか?なぜ品質が高いのか?どんな蔵があるのか?どんな味なのか?」という、新潟清酒ならではの品質の高さを生む秘密をひもとく知識はもちろんのこと、清酒のイロハや歴史、データなどなど、新潟の酒に関する蘊蓄を知って楽しむ検定であります。
去る12月8日に新潟市内で記者会見が行われ(写真:新潟日報12月9日掲載より)、詳細も発表されました。 *ちなみに、記事中写真の右端の男性は私の主人であります*
この検定試験は、2008年3月16日に新潟市内で実施。試験はマークシート方式で回答し、70%以上の正解者は「銅の達人」に認定されます。 試験に先立ち、新潟清酒達人検定協会ではテキストブックを作成し、 新潟県内の書店で発売開始となっております。 試験についての詳細は、新潟清酒達人検定協会事務局まで。
ところで、このテキストブック、なかなかよく出来ています。 新潟清酒が日本酒好きに全国一支持されているのも頷ける、新潟清酒の知識や歴史に加え、ちょっとしたコラム(清酒のトリビア)や、 ひといきコラム(ここで一杯。)なども充実していて、テキストブック という言葉では余りある酒への愛が溢れた一冊なのです。 永久保存版は必至ですね。 こんな楽しい蘊蓄ならば飲み屋さんで誰かに教えてあげても 歓迎されること間違いなしであります。
さらに検定試験日の3月16日は、新潟清酒の一大イベント「酒の陣」も 新潟市内朱鷺メッセで開催されますから、この機会を見逃す手はありません。 「酒の陣」については改めてご紹介致しますが、 ぜひ「新潟清酒達人検定」にご注目下さい!
(尾畑留美子) |
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蔵の風物詩・蒸米の音 [佐渡の蔵元日記] 入力者: 尾畑留美子
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| あちこち出かけていた出張が一段落し、年内はもう出かけない状態になって、やっと少し落ち着いてきました。 というか、落ち着くと同時に溜まった仕事が山のように出てきて 青くなっている最中という方が正しいかもしれませんが・・・。
昨夜は風と雷がすごくて、今日は新潟と佐渡を結ぶ高速船、 ジェットフォイルも欠航してしまいました。 冬を感じる風物詩とも言えますが・・・。
ところで、冬の蔵ならではの風物詩は蒸米の音です。
早朝、空がまだ暗いうちに「ゴォー」という低く響く音。 酒米を蒸す音です。 うちの造り蔵は二階部分にあるので、そんな力強い音が 天から降ってくるように感じます。 蒸しあがった酒米は堅くて食用としてはおいしいものでは ありませんが、独特の香ばしさを感じることが出来て もうすぐ酒に生まれ変わるその要素をすでに醸し出しています。
冬の造りの間は、うちの蔵では杜氏や蔵人がずっと泊まり込みで 仕込みをしています。 そして、その間、こうやって早朝の蒸米が続くのです。
みんな、おいしいお酒になるのだよ。
(尾畑留美子)
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日本酒セミナー [佐渡の蔵元日記] 入力者: 尾畑留美子
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先週から福岡に出張しておりました。 やはりだいぶ暖かくて、福岡ではコートはいりませんでした。 福岡にはたまに行っているのですが、空港から市内までとても近いし、 街もきれいで活気があって良いところですよね。 今回は天神付近はクリスマスムードでいっぱいでしたので、4泊5日の 滞在中、ムードだけ味わって楽しんでまいりました。
そして朝7時30分のフライトで新潟まで戻って12月10日、新潟市内で 開催された日本酒セミナーに参加してまいりました。 今回の講師、日本政策投資銀行の佐藤淳さんは、焼酎ブームのテキスト などまとめた方で、ここ数年の焼酎ブームをひもときながら、 原材料の米やファンドなどの話題も盛り込みつつ、 日本酒の業界の将来へのヒントをご提案頂きました。 社会や消費経済の変遷や原材料の違い、業界の特性なども明確に お話頂き、とてもおもしろいセミナーでありましたよ。 セミナー終了後は参加していた数十人の蔵元で会食。 フルコースとおいしいお酒を頂き満腹&ホロ酔い(写真)。 御馳走様でした!
たま〜に私も日本酒についてのお話を、と頼まれることがあるのですが、いつも緊張してしまいます。 あがらずにうまくできる秘訣などがあればいいのですが・・・。 (ステージに上がる前に、一杯飲んでいくとか?)
さて、12月に入って、造りの蔵はもちろん、事務所も工場もてんやわんやで日本酒の季節を実感しております。 セミナーでは「日本酒の消費がいま一つ」、という哀しいデータも 触れられましたが、皆さん、年末年始にはおいしい日本酒をたくさん たくさん飲んで下さいね。
(尾畑留美子)
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佐渡ならではの食「なめぜ」ほか。 [佐渡の蔵元日記] 入力者: 尾畑留美子
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| 11月27日に佐渡のサンアローで開催されたドリームハウスのお披露目の第二弾。この会場でふるまわれた佐渡の食についてご紹介します。
当日は約20名が参加し、和気あいあいとスタートしました。 ボジョレー・ヌーボーもふるまわれ、ワインと言えば、フランスとばかり、パリから飛んできて下さった佐渡出身の画家、清水伸さんからドリームハウスに飾ってある絵の説明を聞いてちょっとマドモアゼル気分を味わいます。
そしてお腹も空いたところで、食事はと言うと、佐渡ならではのお料理がいっぱい! 写真はすべてではないのですが、ちょっと御説明させて下さいね。 手前右から。 ●おいしい「真野鶴・万穂」!(ワインの後に出てまいりました。 サンアローの石井裕子さん、ありがとうございます) その後列、右から左。 ●牡蠣の煮物。 ●佐渡産のカマンベール。 ●サンマの糠漬け、いわゆる「糠サンマ」、塩気ほどほどで旨みが あって、すごくおいしかったです。 ●佐渡の「へんじんもっこ」さんの人気ソーセージ。
後列右側 ●このトコロテンのようなものは、佐渡の特産物である「いごねり」 です。海藻からできていて、とても健康的な食べ物。 トコロテンのよ うに細く切って、ネギと醤油やポン酢で頂きます。 これ、新潟に行くと、「エゴ」と言われて、羊羹のような形に 切って酢味噌をかけて出 されることが多いです。
手前のディップ皿 ●右がショウガ味噌、左がシソ味噌 ●真中が、「なめぜ」です。ご存じですか?「なめぜ」! 麦、米こうじ、塩で出来ている発酵食品。見た目は”ちょっと” なところもありますが、クセになってしまいます。 これ、佐渡ならではの食べ物です。白菜漬や沢庵にかけたり、 ゴハンにかけたりして食べました。最近、食べていなかったので、 翌日買ってしまいました。
おいしい佐渡の食べ物を御馳走になったドリームハウスなのでした。 ありがとうございました!
ところで、この日、私の前に座った女性は、佐渡でダンススタジオ PALを開いている若林素子さん。とても元気で頑張っている女性で、 いつお会いしてもこちらも元気にしてもらえます。 お嬢さんの若林美津枝さんは全国ダンスコンクールのソロ部門で 第二位に輝いたりアメリカのIDOジャズダンス世界選手権に出場 したりで、今は佐渡・東京・ニューヨークと行ったり来たりで ご活躍中です。 12月21日22日には、新潟と佐渡で「舞韻〜バッハの調べにのせて〜」 というダンスコンサートも開催されます。
そんなダンス話で若林先生と盛り上がっていたら、なんと一度体験 入門することになり、昨日行ってまいりました。 自慢じゃないですが、運動は大の苦手な私。 おそるおそる訪ねたら、ちょうど試験時期ということもあり、 プライベートレッスンでちょっと安心。 結局1時間30分、ストレッチを習って気分爽快になりました!
え?ダンスじゃないのかって?? いえいえ。私の場合、それは遠い遠い未来の話になりそうです。
(尾畑留美子) |
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