蔵元日記

 
  2008年02月14日 (木)
 アメリカから仕込み見学にご来蔵 [佐渡の蔵元日記]  入力者: 尾畑留美子
今日、アメリカからお客様がいらっしゃり、仕込み真っ盛りの蔵をご案内させてもらいました。

ラスベガスからはティファニーさんとキャリーさん、シカゴからラリーさん。皆さん、日本酒のベテランだけあって、飛行場にお迎えにあがって蔵に到着するまでの間、食事の間もお酒についての質問がどんどん飛んできます。

蔵に到着し、改めて蔵の説明やお酒の試飲など楽しんでもらいました。
一つ一つの味を表現するにも、「バナナのような香り」とか、「スパイスの利いた」などなど、普通にお酒業界にいるとなかなか出てこない言葉が出てくるのでとても興味深いこと然り。

蔵の案内に入ると、工藤杜氏から麹の説明が始まりました。
皆さん、36歳の若手杜氏ということで、説明もさることながら、
杜氏自身の経歴に話が及びます。酒造りに携わろうと決意したきっかけや、酒造りに大切だと思っているポイントなど、お酒だけでなくて、その背景全体や酒文化全体を把握しようとしている様子に、海外の方のお酒に対する見方がうかがえたような気がします。

仕込み蔵では、ちょうど留めが終わってから3日、5日、7日、11日という同じ種類のお酒のタンクが並んでいたので、発酵の様子や香りの変化を熱心に調べていました。

アメリカからのお客様は、今回新潟県内のいくつかの蔵元をまわっているのですが、みんな似たように見えても、違う取組をしていたり、味の個性を持っていることにも感銘を受けたようです。

地酒王国・新潟の、仕込み真っ盛りの2月の蔵訪問。
外ははからずも新潟のシンボルでもある雪模様です。
明日は温泉地に行かれるご予定とか。

お酒そのものだけではなく、お酒を生んだ新潟の冬の気候や郷土料理、
造り手の杜氏や蔵元に会った体験が、この後、かの地でどのように
広まっていくのか・・・今から楽しみです。

今日はバレンタイン、愛を伝える日。
日本酒への愛の気持が、世界中に伝わるように願っています。
 
 
  2008年02月13日 (水)
 トキ夢ラインと冬の風物詩 [蔵元寄り道日記]  入力者: 尾畑留美子
2月11日に華やぎのイベントを終え、ふらふらと新潟市内めぐり。
当日は2月には珍しく過ごしやすい天気で、ほろ酔いの身にも
なんとも優しい一日でありました。

そして翌日、新潟から一路佐渡が島へひとっ飛び・・・。

「え、飛行機が飛んでるの??」と思う方も多いと思います。
答えは”YES”。
正確には、9人乗りのセスナ機が飛んでいるのであります。

この小さな機体は”アイランダー”と呼ばれ、機体にいっぱい朱鷺の絵が描かれて愛くるしい姿です。

このまるで映画「紅の豚」を彷彿とさせる(させないか・・・)
機体が、悠々と越佐海峡を結ぶトキ夢ラインを結んで飛翔するのです。

9人乗りなのですが、9人満席になると一人はパイロット席の横の
副パイロット席に座る栄誉に恵まれます。
この席はいろんな計器が忙しく働く様子がまじかに見られる特等席。
私も何度か特等席に座る機会がありましたが、前面いっぱいに広がる
海と島の風景を臨みながらの飛行はこの上なく優雅な気分です。

特に冬は海上時化のためにジェットフォイルという高速船が
欠航になることが多いため、自然と飛行機のお世話になることが
増えてしまうのですが、20分の飛行時間はあっという間ながら、
佐渡を上から眺めつつの帰郷もなかなかおつなものなのです。

というわけで、無事12日に戻ったのですが、それからが大変。

「爆弾低気圧」に囲まれて、突然の雪嵐。
船も最終便は欠航してしまうほどの大荒れ模様なのです。
幸いなことに、その直前に無事佐渡に戻っておりましたので
新潟市内で足止めとなることは避けられましたが、
荷物も止まってしまい、なんともがっかりな自然現象です。

しかし言い換えれば、これこそ日本海は佐渡の風物詩。
地球温暖化も一休みかな、と思えばなんてことない一幕ですね。

 
 
  2008年02月12日 (火)
 振り袖さんと会席料理を真野鶴で [佐渡の蔵元日記]  入力者: 尾畑留美子
2月11日、新潟市内の万代シルバーホテルにて新春の恒例イベント
「ふる町振り袖さん おどり初め会」が開催されました。

艶やかな振り袖さんの踊りを楽しみながら、春の美味を会席仕立てで
頂くという華やぎの一時。
今回、お酒は「真野鶴」で揃えて頂いたのであります(嬉)。

前菜には桧の三段重ねの箱盛りで子持ち鮎の甘露煮や二色豆腐など
色鮮やかに目を楽しませてくれる品々が登場しました。
それに合わせて乾杯には、やはり旬の華やかな味わいをということで、
「真野鶴・大吟醸無ろ過生原酒」を。
生き生きとフレッシュな味わいと少し発酵の残りが感じられる口当たり、そしてコクのある風味が特徴で、食欲が大いに刺激されるのです。

そして松花堂スタイルにて、次は鯛の昆布〆、鰆の西京焼、新竹の子と
若布の木の芽あえ、白魚の引き上げや蕗の薹、酢の物などなど、春の風味一杯のお料理が登場です。

お酒はすっきりと料理を引き立てる「辛口吟醸」と、お燗にもおいしい「辛口本醸造」をご用意し、お好みに合わせて飲んで頂きました。

振り袖さんのという、新潟の芸妓さんの可憐な舞いとともに、
気が付けばほんのりと良い気分です。

〆めには、魚豆寿司と浅利の味噌汁、そして五色豆寄せの水菓子で
お腹もちょうど良い加減です。

当日のお客様は約120名。知りあいの方も多数参加されており、
なんとも贅沢な一日を過ごしたのであります。

なかなか普段の生活の中では、ゆっくり食事を楽しむという機会も
限られている中、新潟ならではの振り袖さんとお料理とお酒の会
というのは良いものです。
すっかりい〜い気分になってしまいました。

 
 
  2008年02月04日 (月)
 真野鶴・万穂が順調に発酵しています [佐渡の蔵元日記]  入力者: 尾畑留美子
真野鶴・万穂の留添えから約二週間。
仕込み36号タンクの中では、順調に発酵が進んでいます。
ポッポッと少し泡があがる中、さわやかなグリーン・アップルの
香りが立ち込めます。

これからまた数週間、ゆっくりと発酵が進むにつれ、香りも深みを
増していくのです。
どんな香りをまとっていくのか、今から楽しみです。

夕べから、関東地区では雪が降ってケガをする人も続出とのこと。
私も東京で働いていた頃、たまに雪など降った日には、雪用の靴なんて
用意していないので、雪慣れしているにも拘わらず、何度も転びそうになりました。
今ではブーツはもちろん、長靴も常備されています!
今日はたまたま暖かい一日となりましたが、明日からずっと雪マークの
新潟です。そろそろ長靴の出番かな。
 
 
  2008年01月21日 (月)
 真野鶴・万穂(まほ)の仕込み [佐渡の蔵元日記]  入力者: 尾畑留美子

今日、真野鶴・万穂の仕込みに使われる米、山田錦35%の放冷作業が
ありました。

写真の米は今朝蒸したものです。
これを室(むろ)ではなく、ひんやりとした蔵の中で4〜5時間かけて
手で広げながら自然にさましていきます。
そうすることによって、米の芯まで冷えてゆくのです。

この米は今日の昼に、真野鶴・万穂の留め仕込みに使われました。

 

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