蔵元日記

 
  2008年03月17日 (月)
   厚く御礼「酒の陣」大盛況で終了!! [佐渡の蔵元日記]  入力者: 尾畑留美子
3月15日16日に新潟で開催された「にいがた酒の陣2008」が無事終了致しました!!

ご覧の通りの大盛況ぶりで、今年は二日間でおよそ76,000人のご来場者の方にお楽しみ頂けました。
入口をまっすぐ進むと、まずは昔ながらの酒造りの道具の展示コーナー。説明を見ながら「米から酒が出来るまで」の過程を頭に入れて歩きます。
そして、そこから奥に入ると会場全体がまさに”新潟酒天国”!

各蔵がブースを構えて自慢のお酒を並べ、来場者は1000円の試飲カップを購入すると、それらのお酒の試飲を楽しむことができるのです。もちろん、気にいれば購入も可能です。
”食”のブースも充実していますので、おいしい新潟料理を食べてちょっと一休みする姿もあちこちに。

さらに会場を盛り上げたのが、”乾杯タイム”。
ドンドコドンドコ・・・と威勢の良い太鼓の音が合図です。
ステージ上のゲストの掛声とともに、皆さん、カップをあげて「かんぱ〜い!」。まわりにいる見知らぬ人たちと乾杯を交わすうちに、場内はどんどん一体化して熱気に包まれてきます。

もちろん関係者や知り合いもたくさん会場にいらっしゃいました。
新潟市の篠田市長、料理研究家の中島有香さん、マイケルさんなどなど。ここには書ききれません。

今年は例年にも増して県外、そして海外からのお客様も増えたように感じます。お酒の業界の方も大勢いらっしゃって、このイベントに顔を合わせる方々もたくさんです。

「真野鶴」のブースにも大勢のお客様がお立ち寄り下さいました。
ゆっくりお話出来なくて残念でしたが、”お立ち寄り、ありがとうございました!”


 
 
  2008年03月13日 (木)
 珍味な佐渡 [蔵元寄り道日記]  入力者: 尾畑留美子
今日は最高気温も14度を越え、コートのいらない一日。

午後は、佐渡のアイマーク環境(株)の村山社長が関係者の方々と一緒に蔵に来てくれました。
アイマーク環境さんについては、新潟日報でのコラム「見えない壁」でも触れましたが、十日町ご出身の大変元気な若社長です。この夏の佐渡でのインターンシップに向けて、佐渡で何か新しい試みが起こりそうな予感がしてワクワクします。

さて、今宵もお酒の時間です。
写真の小鉢、なんだかわかります?

なんと、「水タコの子」です。

タコの子、食べたことありますか?
私は佐渡に住んでいますけど、はじめて。
とにかく、”珍味”!!なんとも初体験の食感です。
今回は(もう食べる機会ないかもしれないけど・・・)キュウリと和えて酢の物にしてみました。

そして今宵のお酒は、小さな小さなタコの感触とふんわりまとう潮の香りを楽しむために選んだ「辛口純米酒」を常温で。
このお酒、純米酒ではとっても珍しい日本酒度+16度(ラベルには+10度以上と書いてあります)という日本有数の超辛口のお酒。超辛口というと、なんだか構えたくなりますが、これは米の風味もさらり漂う爽やかな飲み口なのです。

ところで、明日から新潟です。
いよいよ土日に迫った
「にいがた酒の陣2008」の準備も含め、今から張り切っています。

今夜は飲みすぎないようにしなくては・・・と思いつつ、またもや珍味なタコの子とお酒に手が伸びてしまうのです。

次回は「酒の陣」のご報告となりそうです。
お楽しみに!



 
 
  2008年03月12日 (水)
 フキノトウの季節 [蔵元寄り道日記]  入力者: 尾畑留美子
今日も気持の良い一日でした!

最近、暖かい陽気になった話ばかりのような気がして恐縮です。
日本海の冬というのは、それだけ厳しいのです。
私も蔵に戻った最初の年は、佐渡に生まれ育ったにも拘わらず
太平洋側の明るい冬とのギャップにかなり驚きました。
それ故に、なお春の訪れがとても嬉しく、体が伸び伸びとするのです。

春の陽気に誘われて、長い冬眠から目覚める生き物たちも、
もしかしたらそんな気分なのでしょうか。

”脱皮”という言葉がありますが、春はまさにそういう季節です。
一枚削ぎ落として、成長する。
人間もそうやって余計なものをそぎ落として成長していければ
素晴らしい。

ところで、佐渡の春の風物詩の一つが「フキノトウ」です。
そして、今、まさに採れ時!
今朝、我が家の庭にもひょっこり「フキノトウ」が頭を出していた
ので、少し採ってきました。

とれたての「フキノトウ」をどうするか。
天ぷらでさっくり食べるのも香りが楽しめてお薦めです。
塩や抹茶塩など、春っぽくておいしくなります。

それとうちでは、「ふき味噌」も人気です。
「フキノトウ」をふんだんに贅沢に使った味味噌。
ご飯にのせたり味噌田楽も良いですけど、新鮮な筍やキュウリ、
山ウドにのせても春の御馳走が一品出来ます。

この「ふき味噌」、作り方は意外とシンプルです。
よ〜く洗った採れたての「フキノトウ」を細かく細かく刻みます。
それをさっと湯がいてアク抜きします。
そしてお鍋にそれらと白味噌(佐渡の田舎味噌がぴったり)、ミリン、カツオだし、砂糖、そしてお好みの真野鶴を少々加えて(量はそれぞれお好みで)、ぐつぐつと3時間位煮込んで出来上がり!

春の酒宴にぴったりの突き出しが完成です。
ぬる燗で付けた特別純米酒「壱穂(いちほ)」を用意して、今夜は
友人からもらった少し厚手のお猪口でチビリチビリ飲むとします。
 
 
  2008年03月04日 (火)
 生まれたてのピュアなエネルギーを感じるお酒 [佐渡の蔵元日記]  入力者: 尾畑留美子
気持の良いお天気に誘われて、車を洗車してピカピカに。
やぱり気分の良いものですね。

さて、昨日は3月3日。
実は1日に当社の工藤杜氏に元気な女の子が誕生しました!
そこで、雛祭りにかけて昼過ぎからぞろぞろと姫詣でに参った次第です。

新生児室には、生まれたての赤ちゃんたちがスヤスヤと眠っています。

いつも思うのですが、”赤ちゃん”って本当に見ているだけで
幸せになりますよね!

生まれたてのピュアなエネルギー。
本能だけの純真なものだから、逆にとてもキャラクターを感じます。

これは、お酒にも言えること。
生まれたての搾りたてのお酒は、とてもピュアでパワフルで、
素材の酒米の特徴や、酸味や旨み、キレ、麹の香り・・・いろんな個性を存分に主張します。
無調整の生酒ならではの醍醐味。

「お酒って、こんなに個性があるんだ!」
思わず唸ってしますおいしさです。

ところで、そんな個性豊かな”生まれたての醍醐味”をお届けすべく、
実は少しだけ槽口(ふなくち=タンクからお酒が出てくる口)から
搾りたてのお酒を詰めてご用意致します!

ラインナップは以下の三つのスペシャル・バージョンです。
◆山田錦40%大吟醸
◆五百万石50%純米大吟醸
◆越淡麗50%純米大吟醸

今回は三つの酒米で仕込んだものをご用意するスペシャル企画。
三つ揃えれば、それぞれの酒米の特徴が存分にお楽しみ頂けるという、とても贅沢なラインナップです!

数に限りがありますもので、ホームページの商品案内ではご紹介出来ないのですが、ご興味のある方は、6日に発行予定の「真野鶴メールマガジン」の第一号にて商品の詳細をご案内致しますので、ご登録の上ご覧下さい!(3月6日配信予定)

*または、お問い合わせフォームより、「槽口(ふなくち)取り生酒のお問い合わせ」とご希望をご記入の上、メールをお送りください。折り返し、詳細についてご連絡致します。
 
 
  2008年03月03日 (月)
 誰かに知ってもらいたい佐渡 [蔵元寄り道日記]  入力者: 尾畑留美子
今、佐渡のアミューズメント佐渡にて「誰も知らない佐渡・写真展」が
開催されています。(3月1日〜3月9日)

これは写真家・天野尚さんが16年前から撮り始めた佐渡の”誰も知らない宝物”の写真展です。昨年秋から東京はじめ順次展示されていて、
NHK全国放送でも取り上げられていたので、ご存じの方も多いと思います。


天野さんは新潟県の旧西蒲原郡生まれ。写真家として、アフリカ諸国をはじめ、世界三大熱帯雨林において「原初の風景」をテーマに大判カメラでの撮影に取り組んでいらっしゃいました。1992年、佐渡島で撮影した水中写真「鬼踊り」が写真コンテストでグランプリを写真。他受賞歴多数。最近は、写真活動だけではなく、講演活動も日本国内はもとより、ヨーロッパ、アメリカなどで行っているそうです。

天野さんの写真展や昨年発刊された写真集「佐渡ー海底から原始の森へ」(株式会社アクアデザインアマノ発行)には、”四季折々の”という言葉で語るにはあまりにも雄大な自然の力を感じます。

桜が咲き、海が活動をはじめ、渓流が穏やかに流れ、杉の大樹が森を支配し、そして透明な海に雪が舞い散る。まるで島全体が一つの生き物として呼吸するように、その姿は季節とともに違う表情を見せ、そして血とエネルギーを行き渡らせるのです。
私も知らなかった佐渡の自然の神々しい姿を発見し、この島とここまで対話するに至るまでの天野さんの長く静かな時間を写真から感じながら、佐渡の自然が生んだ神秘の姿に感謝するばかりでした。

天野さんの写真集にある一言です。
「佐渡の海がなぜこんなにも透明で、海藻や魚を含め、生物がなぜこんなにも豊富なのか、海中で撮影している時にはわからなかった。しかし、何度も通い、森に入って佐渡のさまざまな自然の姿を撮影するようになってから、自ずと謎は解けた。まだたくさん残されている原生林の樹々の緑が、佐渡の海の豊かな生態系を育んでいたのだ。青い海と緑の森の密接な関係、佐渡はそんなことを実感できる場所なのである。マイナス40mの海底から標高1,000mを越える原始の森までくまなく撮影することで、山と海の共存関係がここに証明できたと思っている。山が美しいから海も美しい。この写真集から、私の自然に対する思いを感じていただけたら幸いである。」

"佐渡は共存し、そして生きている。"
そんなメッセージが強く胸に響きます。

そして、この素晴らしい島で生まれた酒がある。
天から降ってきた雫のようです。

「誰も知らない佐渡」---あなたには知ってもらいたい。



 

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