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佐渡金山道遊坑の貯蔵庫 [佐渡の蔵元日記] 入力者: 尾畑留美子
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| 佐渡金山といえば、佐渡を代表する観光名所の一つでありますが、この春、今までの宗太夫坑コースに加え、道遊坑コースが新たに公開されました。 「宗太夫坑コース」は、国史跡に指定されている江戸時代の採掘跡の一部を公開したもので、電動人形が江戸時代そのままの作業や生活の様子を再現している坑道です。リアルに動く人形たちのセリフが佐渡弁で語られ、思わず耳を傾けてしまいます。 この春に公開されたのは、入口は同じなのですが、平成元年まで実際に採掘されていた坑道です。坑道を抜けると、鉱山機械の修理保全を担った機械工場や工作機械類なども見学でき、江戸の時代から徐々に技術が進んでいった様子をうかがうことができます。 ところで、この坑道の途中に、実はお酒を貯蔵している貯蔵庫があります。今回の道遊坑コース開設に伴い、シックな扉がつき、まるで古いお城のカーブのようです。(写真) この奥には金山の秘蔵古酒が眠っています。残念ながら貯蔵庫の中は一般開放していないのですが、その扉の前に立っているだけで、江戸時代から続く佐渡金山の浪漫がお酒に秘めたる魔法をかけているように感じます。
(参照) ●蔵元日記「佐渡金山秘蔵古酒の取材同行」 ●蔵元日記「真野鶴古酒の味わい」 ●Wine&SpiritsのPeter Liem氏ブログ ●商品「佐渡金山秘蔵古酒BY10」について |
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佐渡能月間のはじまり [蔵元の能日記] 入力者: 尾畑留美子
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| 6月になりました。 佐渡の6月は能月間と言われるほどに、各地域で多くの能舞台が 開催されます。 今夜はそのトップバッター、大膳神社で薪能が開催されました。
少し早めに会場に着くと、すでに多くのお客様がいらっしゃいます。 じきに大型バスが到着し、さらに大勢のお客様が会場に向かっていき、 小さな会場は数百人のあふれるばかりの観客で埋まりました。
会場では本土からいらしたのでしょうか、「佐渡に能があったなんて、今まで知らなくて」なんて言う会話をするグループもいらっしゃいましたし、まさに老若男女が大集合。
本日の演目は、狂言が「昆布売」、能が「土蜘」です。
「土蜘」が始まる頃にはあたりは闇に包まれ、かがり火がひときわ 神々しい光を放ち、観客もほ〜っと見とれるばかりの様子でした。
佐渡は世阿弥が配流された地として知られ、30を超える野外能舞台があること、そして島民によって能が舞い伝えられたことなど、 まさに”能の島”です。 これから夏に向けて、たくさん能舞台が開催されます。 8月19日(春日神社)、20日(大膳神社)、21日(椎崎諏訪神社)には、佐渡薪能三夜連続公演も開催されます。
そんなイベントも含め、各地域の能舞台から、また御報告させて頂きます。 |
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ツバメのヒナ、飛翔に向けて [蔵元寄り道日記] 入力者: 尾畑留美子
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| 4月に蔵にやってきた燕たちのヒナが5匹育ち、昨日あたりから 親ツバメたちに促されて飛び立つ準備を始めました。
この日も朝早くから蔵の玄関ではツバメたちの声が普段よりも 一層にぎやかに響き渡っていました。 巣のまわりで親たちが、行ったり来たりしながら呼んでいるのです。 「ほら、ここまで飛んでごらん」と。
しばらくすると、一羽、また一羽とおそるおそる飛び立ちます。 5メートル範囲位の中で、ヒナたちは看板の上や、飾ってある朱鷺の 飾りの羽の上に留まって、いや、しがみつきながら少しづつ 遠くに飛ぶ練習をしていきます。
写真は、ちょっと慣れ始めたヒナたちが、入口の看板の上に とまったところです。 金賞の文字の上で少し誇らしげです(気のせい?)。
今日の昼間は、ちょうど蔵の外で親ツバメにくっついて 飛んでいました。 夕方になるとみんな巣に戻ってきて、今日の飛行ツアーについて 報告しているのか、興奮気味に賑やかに語り合っていました。
今年は一匹も欠けることなく、生まれた5匹全てのヒナが 無事に成長しました。 その成長の様子は、会社の社員はもちろん、蔵を訪れるお客様に とっても、とても微笑ましく勇気をもらえる姿でした。
もうすぐ、飛翔の時です。
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広島での出品酒公開と酒造り [佐渡の蔵元日記] 入力者: 尾畑留美子
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| 5月22日、広島にある酒類総合研究所にて今回の全国新酒鑑評会の 出品酒が公開されました。 各蔵の出品酒は北から南まで地域順に720mlサイズで並べられ、金賞を受賞したお酒には「金賞」という首掛けが掛けられます。 今年は新潟の蔵が25蔵、金賞受賞。 全国でも断トツで多く、地酒王国の名を実感致します。
うちの蔵にも、「金賞」の首掛けを頂きました。 写真は、会場に行った蔵人から送られてきたものです。
この会場にあるお酒は、「金」の文字があってもなくても、 みんな精魂込めて真剣勝負で造られたお酒たち。 どの蔵の酒も拍手で迎えられる価値があります。
いつも私が”酒造り”に感じるのは、「意志の力」です。 清酒はほっておいて出来上がるものではありません。 なんとなく取り組んでは良いものは出来ない。 何かのせいにしたり、他人に頼ったりすることも出来ません。
「もっと良い酒を造りたい」。 そのために、「当たり前のことに当たり前に取り組む」。 その繰り返しなのだと思います。
うちの蔵は若手が中心です。 普段はそんな年齢ならではの若さで冗談を言ったり、気分良さげに 酔っぱらったり、マイク片手に歌ったりします。
なのですが、いったん造りが始まり蔵に入ると、その表情は一変します。 すべての結果は「今」という一瞬の連続で決まっていくからです。
”日本の酒”って素晴らしい、と思います。
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金賞受賞の御報告と御礼 [佐渡の蔵元日記] 入力者: 尾畑留美子
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| 本日、10時に発表になりました独立行政法人・酒類総合研究所主催 による全国新酒鑑評会にて、当蔵「真野鶴」が金賞受賞致しました!
今朝の佐渡は大雨。そんな中、9時30分より名古屋のテレビ局の 取材でタレントのつるの剛士さんがご来蔵下さり、私も蔵の中を あちこちしておりました。 朝方までは、10時きっかりにインターネットで発表になる 鑑評会の結果がものすごく気になっていましたが、しばし忘れる私。
やがて時計は10時を示し、事務所からパタパタと蔵に駆けこむ 足音が・・・。 「金賞受賞しましたよ〜!」の声に、社長はじめ一同立ち上がって つるのさんやスタッフの皆さんを思わず握手攻め(苦笑)。 (皆さん、突然の握手で驚いただろうなぁ・・・ごめんなさい)
おかげさまで2001年より通算7回目の金賞受賞となります。 日本での受賞に加え、昨年は国際的な舞台でも金賞を頂き、心より感謝申し上げます。
当蔵の36歳の杜氏・工藤賢也(写真)を筆頭に、蔵人は20代30代を中心に酒造りに携わっています。 冬場の造り中は蔵に完全泊まり込みで酒を育てている杜氏は、 酒造りについて「当たり前のことを、当たり前にするだけ」と 言います。
受賞酒である「真野鶴・万穂(まほ)」の名の由来でもあり、 工藤杜氏の師匠である松井万穂氏より受け継がれている 酒造りの基本が「酒」として実を結び、 さらにこうして高い評価を得ることができ、万感の思いです。
どんなお酒も一本一本、その蔵の思いが込められて大切に 育てられて誕生の時を迎え、皆様の手に届きます。 そのお酒造りという仕事に携わっていられることに、 改めて感謝の気持ちでいっぱいです。
そして、お酒が好きで、いつもご支援下さる皆様にも感謝の気持ちで いっぱいです。 いつも本当にありがとうございます。
これからも、とにかく全力でまいります。 よろしくお願い申し上げます。 |
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