蔵元日記

 
  2008年07月01日 (火)
日本庭園を眺めつつ [蔵元寄り道日記]  入力者: 尾畑留美子
いきなりレッドカーペット。ここはどこかのプレミア試写会会場?

こちらの素晴らしい日本庭園は、新潟は瓢湖のそばにある五十嵐邸ガーデンであります。先日、こちらで結婚式があったので出席してまいりましたが、その1シーンであります。

庭一面に置かれたロウソク灯りに照らされて、新郎新婦が登場した時には会場どよめきました。とってもきれい。
日本庭園を眺めながらの素敵な一夜となりました。

五十嵐邸はランチ、ディナーも楽しめます。いろんなタイプのレストランもありますので、新潟は瓢湖方面に行かれた際にはぜひ足をのばしてみて下さい!
 
 
  2008年06月25日 (水)
蔵に舞い込んだウグイス [蔵元寄り道日記]  入力者: 尾畑留美子
今日、会社に来たらなんだかあわただしい空気が・・・。
燕の親がパタパタとせわしなく飛んでいるのです。

燕、飛び立ったはずでは?と思った方は正解。
燕の親子は無事に先日飛び立ったのですが、その後第二陣で二つのツガイが卵を温めている最中でありまして、相変わらず燕天国の蔵です。

その親ツバメが今朝はせわしなく飛んでいるのです。

その理由。
ウグイスが舞い込んで来まして、あちらこちら探検してます。
ウグイスは燕を気にする様子はないのですが、卵を抱えている親ツバメはそうはいかないようなのです。

写真は蔵の水飲み場でちょっと休憩中のウグイス。
水浴びなんかもしてました。傍に置いてあるお地蔵さんも、珍客を大歓迎している様子で、6月も終わりなんですけどなんともふんわり優しいそよ風を感じました。

この文章を書いている間に、無事外に出たそうで安心しました。
親ツバメもホッと一安心。
ご来蔵、ありがとう!

 
 
  2008年06月20日 (金)
おいしいお酒のイベントに参加してきました! [佐渡の蔵元日記]  入力者: 尾畑留美子
少しご無沙汰してしまいました。もしや、病気では?なんて心配はされていないと思うのですが、こういう時は大抵出張に出ているのでございます。(今の時代、パソコン持ち歩かない私はやはりアナログ?)

さてさて、今回の出張では楽しいお酒のイベントに参加してきました。
相模原伊勢丹で開催された「蔵元と秘蔵の地酒を楽しむ会」。
同店で開催されていた「THE JAPAN WEEK」のハイライトの一つです。

全国から7つの地酒が提供され、そのうち山形の「出羽桜」、福島の「大七」、長野の「真澄」、新潟の「菊水」、そして「真野鶴」は
蔵元からも参加。皆さん、自慢の秘蔵酒や非売品のお酒を持ち寄り、
季節の食事とともにお客様に楽しんで頂きました。

おいしいお酒のせいか、日本酒大好きなお客様に囲まれていたせいか、
あちことでお話がはずみ、それぞれの地方の地域性やお酒の種類による特製など実際にお酒を飲みながら会話が進みました。

日本酒と一言でいっても、地域や種類によって楽しみ方も千差万別。
そんなことを感じて頂けた楽しい一夜となりました。

 
 
  2008年06月08日 (日)
諏訪神社の薪能に酔う [蔵元の能日記]  入力者: 尾畑留美子
6月は佐渡能月間と言われるほどに、各地域で能の演目が開催されています。
他にも大野亀と呼ばれる地域ではカンゾウの花の季節であったり、
祭りがあったりで、一年の中でも賑わう季節です。

6月8日、この夜は両津地区の諏訪神社にて「熊坂」が舞われました。

この週末には私の知り合いの人たちも大勢佐渡入りしており、
途中から合流して「佐渡能めぐり」の散策を楽しみ、夕方からは
加茂湖を眺めながら、佐渡の焼き魚を肴に一献。
気持ち良く酔いを楽しみ、夜も更けてから諏訪神社に移動しました。

会場ではたくさんの人たちが舞台を囲んではじまりを待っています。
若いお客様も結構多く、遠方からわざわざこのためにいらしたようです。

この日の演目、「熊坂」には同時解説イヤホンガイドがつき、児玉信先生がわかりやすくストーリーや見どころを説明して下さいました。
柔らかく人情味溢れる先生の解説を聞いていると、物語に出てくる悪党にも同情せざるを得ない生い立ちや人生があったことがわかり、
舞台に繰り広げられる幽玄な能の舞台が、なんとも身近な人間ドラマに
感じられてまいります。
その昔、能が地域の大切な娯楽であったのも大いにうなずけます。

佐渡の能は、物語の途中で観客から拍手が出たりします。
身内や知り合いが舞台の上に立っていたりしますし、
「頑張れよ!」という応援なのです。
最近は、能の舞い手や謡い手も若手が登場しているそうで、
同時に、観客の層も広くなってきています。
佐渡の能は、今の時代の中で古くて新しいエンターテイメントに
なってきているのでしょう。

さて、舞台では後半が始まり、大薙刀をかかえた長範の亡霊が現れ、
生前牛若丸に討たれたことを物語り始めます。

小高い丘の上にたつ諏訪神社の舞台から、幻想的な小鼓や篠笛の音が
夜の闇の中に溶けていきます。

わずかな残る気持ちの良い酔いを感じながら、その音色と物語に吸い込まれていくのです。
 
 
  2008年06月03日 (火)
佐渡金山秘蔵古酒の目覚め [佐渡の蔵元日記]  入力者: 尾畑留美子
本日のNHK全国放送で、佐渡金山が紹介されました。
今年の4月から新しく公開されている「道遊坑コース」が女優の酒井美紀さんやアナウンサーの方々によってその歴史や意味合いがひも解かれていきました。

その途中、この日記でもたびたび触れている「佐渡金山秘蔵古酒」が
貯蔵されている貯蔵庫も登場いたしました。
画面からひんやりとした貯蔵庫の様子が伺えます。

さて、本日はここに眠っているお酒、「真野鶴・佐渡金山秘蔵古酒BY10大吟醸」をご紹介します。
これは平成10酒造年度に仕込まれた山田錦40%精白の大吟醸です。

佐渡金山は年間を通しておよそ10〜11度に保たれており、もちろん直射日光も当たらない、お酒の貯蔵には最適なスペース。
平成6年に当時まだ公開されていなかった、鉱石発掘運搬用の坑道を
利用してお酒の秘蔵古酒造りに取り組んだのは始まりです。

このカーブのような洞窟の中でこんこんと眠り続けたこの古酒は、
新酒の時から兼ね添えている繊細で豊潤な香りや、力強く深い味わいが
少しづつ変化を遂げていきました。

それは高精白ならではの淡く、ほんのりうっすらと琥珀色に輝く透明感のある雫から漂うシェリーのような芳香から始まります。
淡麗で繊細な味わいはそのままに、しかしながら白トリュフやフォアグラなども思わせる複雑さは、口のなかで幾重にも広がっていきます。

日本酒、ってこんな顔もあるんだ、と思える味わいです。
金山の歴史と浪漫の中で長い長い時間を過ごしたこのお酒は、
とても上品で勝ち気で、けれども繊細な面もある女性のようです。

古酒の人気は国内でも最近高くなってきていますが、古酒というのは、
オリジナルのお酒によって、変化が全くことなり、色も味わいも
千差万別であることも魅力の一つです。

佐渡金山で10年弱の時を過ごした「真野鶴・佐渡金山秘蔵古酒BY10」。
あるワイン・ジャーナリストの言葉を借りれば、”熟成したシャンパン”の味わいにも通じるそうです。

眠りから覚めた古酒の味わい。ぜひ一度お試し下さい。

(参照)
●蔵元日記「佐渡金山秘蔵古酒の取材同行」
●蔵元日記「真野鶴古酒の味わい」
●Wine&SpiritsのPeter Liem氏ブログ
●商品「佐渡金山秘蔵古酒BY10」について
 

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