蔵元日記

 
  2009年09月23日 (水)
女性限定「お酒の楽校」ご報告 [佐渡の蔵元日記]  入力者: 平島健
★女性限定「お酒の楽校」のご報告
9月17日 18:30〜 ホテル金寿10Fバンケットルーム

皆さんは「にいがた食の陣」をご存知ですか? 新潟の食をもっとよく知ってもらいたいと十数年前、冬期間を対象に始まったイベントで、今では年間を通して大小様々なイベントを行っています。

そのイベントの一つに、女性限定で新潟の酒と肴を蔵元から話を聞きながら楽しんでもらい、新潟清酒の素晴らしさを広く伝えていただく、いわば新潟版SAKEソムリエールを育てようという「お酒の楽校」なるものがあります。
毎回、蔵元を変えて年4回開催するもので、最終的には新潟全蔵をゲストに迎えようという壮大なる計画(20年以上掛る計算になります!)をお持ちとのこと。
その栄えある(?)初年度4回目に選ばれ、先週の木曜日に杜氏の工藤賢也と二人で参加してきました。

「酒の楽校」とは楽しみながら学ぼうということで、すぐに飲み始めるわけでなく最初は30分ほどの座学があります。
これも毎回違うゲストを迎えており、今回は食育カウンセラーの村井康人さんがお話をされました。
味の感じ方、親から子供に受け継がれる食の好み、幼少時の食育の大切さなど、小中学生の子供を持つ身にとってはためになるとともに、少々我が身を振り返ると後悔の念を抱かせる身近な講話でした。

さて、いよいよ本番。基本的には振舞われる料理に合わせて蔵元が考えたお酒を提供し、そのお酒についてのコメントなどを話していくのが定番のようでしたが、お任せしますということだったので、学校というコンセプトに沿い内容に変化を持たせることにしました。

6種類の異なるタイプのお酒を提供して、まずはテイスティングノートに味や香りの特徴などを各々が感じたままに記入していただき、料理とのマッチングについてもこちらから提案するのでなく、自由に何が何と合うかを試してもらうという趣向です。

毎回のように参加されている方にとっては新鮮で楽しく感じられた様子でしたが、一方で蔵元が考える食とのマッチングや提供する温度など体験したかったという声もありました。ただテイスティングノートに関しては色々なものを飲んでみようという動機づけにもなると思うので、今後もこうしたイベントで活用してみようと考えています。

定員の30名を超えて参加していただいた35名の女性に囲まれての歓談は、19時の乾杯から21時過ぎの〆まで約2時間をあっという間のものとしました。
誰もが新潟清酒に対して大いなる興味と愛情を抱いており、質問が途切れることなく、杜氏とともに嬉しい悲鳴でした。

もうすぐ新年度の酒造りが始まります。参加者の皆さまより元気を分けていただき、今年もますます良い酒を醸していこうという決意を新たにした夜となりました。

ご参加下さったみな様、そして食の陣関係者の方々、この場をお借りして改めてお礼申し上げます!
 
 
  2009年09月22日 (火)
越淡麗とコシヒカリ [佐渡の蔵元日記]  入力者: 尾畑留美子
シルバーウィークも真っただ中。
私は昨日、佐渡で行われたふるさとオペラ「夕鶴」を見てまいりました。
「鶴の恩返し(鶴女房)」で知られるこの物語、実は佐渡の民話なのです。

佐渡で生まれて世界的に知られているもの。
たくさんあるのだなぁ、と思いながら楽しみました。

さて、写真の右は、もうすぐ収穫を迎えるコシヒカリ。
左はおよそ一か月遅れで収穫時期を迎える越淡麗です。

こうやって並べてみると、その成長の度合がよくわかります。

黄金色のコシヒカリに比べると、越淡麗はまだまだ青くこれから成熟の時を迎えるのだと。

背の高さも越淡麗の方が少し高いです。

お米の個性がこんなところにも感じられて、お酒になって誕生する時が今から待ち遠しいです。

そして、しょっちゅう田圃を訪れる私を迎えてくれるバッタたちとトンボたち、今日もこんにちは!!
 
 
  2009年09月17日 (木)
頭を垂れる越淡麗 [佐渡の蔵元日記]  入力者: 尾畑留美子
9月も半ば。
秋の風が吹いています。

写真は今日の「越淡麗」です。

立派な稲穂をつけて頭を垂れています。

「実る稲穂は頭を垂れる」。

しばらくぼんやり田圃にいたのですが、終始カサカサカサカサ音が
します。

これはバッタの散歩の音。

私が歩き出すと、一斉にバッタがあちこちから飛び出します。

空に目を転じると、トンボたちの群れ。

秋ですね。

そして、バッタもトンボも、この田圃が大好きなんだなぁ!って実感します。

コシヒカリは今月から収穫が始まりますが、越淡麗はひと月位後になります。

コシヒカリより少しノッポの越淡麗。
もうしばらく栄養をつけて大きくなってね!
 
 
  2009年09月09日 (水)
佐渡の星空と秋の酒 (2) [佐渡の蔵元日記]  入力者: 尾畑留美子
「荒波や佐渡に横たふ天河」

1689年、松尾芭蕉が佐渡島をのぞんで読んだこの句にあるように、
佐渡の星空(写真)はとても美しいものです。

6月に「みかわ天文台」の小千田台長とお会いした際に、
「佐渡の星空を眺めながら、おいしいお酒が飲みたいね」とその場にいた関係者一同盛り上がっておりました。
そんなお酒の席のお話が、月が美しい秋になり実現することとなりました。
その名も「星酒(せいしゅ)祀り」
なんだか、お星様きらめくお酒が眼に浮かびますね。

佐渡に行くフェリーが発着する佐渡汽船に、新潟最大のコンベンション・センター「朱鷺メッセ」が隣接してそびえ立っています。
この31階に展望室があり、こちらで開催予定。
まさに星空にちか〜い場所です。

お星様やお月様とお酒は、どちらも神様に近いものとして共通点があります。
そんな素敵な星とお酒の関係を思い浮かべながら、秋のお酒をゆるりと楽しむ会。

当日は、月に恋する吟うさぎを描いた冷やおろし「吟うさぎ」をご用意致します。

9月29日(火)午後19時より開催です。
(会費2,000円。飲食に関してはお味見程度のご用意となります。)

ご興味のある方は、こちらの公式ページをご参照下さい。

飲み会というよりは、大人のロマンを楽しむ夜になりそうです!(^^)!
 
 
  2009年09月08日 (火)
佐渡の星空と秋の酒(1) [佐渡の蔵元日記]  入力者: 尾畑留美子
佐渡の星空はとてもきれい。
ネオンのない田舎が、星を見るには一番の舞台です。

以前、この蔵元日記で「みかわ天文台」の台長をご紹介かせて頂きました。
実は、今度一緒に楽しいお酒の会「星酒(せいしゅ)祀り」を開催することになりましたので、
今一度、そのお話、ここでご紹介させて下さい。

*「星酒祀り」公式紹介ページはこちら
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「みかさ天文台」の大きな夢 

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とある会で、大きな夢に出会いました。

夢の持ち主は新潟の小千田節男さん(写真)。
みかわ天文台の台長さんです。

小千田さんは、小学生の頃から望遠鏡作りに熱中し、いつかハンディキャップのある人も自由に見られる天文台を作る、という夢を持ったそうです。

そしてそれから30年の時を経て、いよいよ夢が実現の時を迎えているのです。

小千田さんは、自分の体験を通して子供たちに伝えます。

木が一本一本違うように、人間もみんな同じじゃない。
でも、曲がった木でも立派な望遠鏡になるように、
誰にだって、出来ることが必ずある。
みんなと違っていたっていい。
あきらめなければきっと夢を実現できる。

山の頂に建てた天文台に望遠鏡が設置されてからも、まだ小千田さんの夢は続きます。
障害のある人も大人も子供も楽しめる「天空の森」を完成させる夢。
それを目指して人生のオリンピックで全力疾走中なのです。

そんな小千田さんにとって、佐渡には特別の思いがあるそうです。
高校生の時に佐渡で開かれた星を見る会を手伝い、そのことがきっかけに今の道を歩むことを決意したとか。

佐渡では降り注ぐような星空に出会える時があります。
そんな時は私も家の前に立ってぼ〜っと星空を見上げています。
高校生時代には、流れ星を見る会で一晩みんなで空を眺めたこともあったっけ。

星を見るのには、風がゆらがず、木の葉がないところ、例えば「のろし」を上げる場所が最適だそうです。

「のろし」と言えば、手紙や電話が出来る前の通信手段ですよね。

降り注ぐ☆の流れについ見入ってしまうのは、星の輝きがきれいなからだけでしょうか?
もしかしたら、宇宙の彼方からメッセージが降ってきているのかも。

望遠鏡を通して、宇宙と交信・・・。

なんて考えると楽しくなります。

とっても貴重な出会い。
星の数ほどの人たちの中で、人生で出会える人は限られています。

貴重な出会い。

大切にしたいですね。

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